近代建築の5原則とは?
近代建築の5原則とは「住宅は住むための機械である」と断言するなど機能主義の意識が強いル・コルビュジエのドミノ・システムを発展させたようなアイデアで1926年に初めて発表されました。
近代建築の5原則はピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由なファサードの5つの要素によって建築を構成するというアイデアです。
ピロティ
ピロティとは2階以上の建物に用いられる1階部分が柱だけで構成されている吹抜けの空間のことです。
柱で建物を支えるピロティによって、まるで建物が空中で静止しているかのような状態を作り出すことができ、重い負荷にも耐えられる鉄筋コンクリートの発達によって可能になりました。
ル・コルビュジエにとって建物が空中で静止しているような状態が理想だったようですね。
このピロティはル・コルビュジエの多くの建築に取り入れられています。
屋上庭園
屋上庭園は採光や排水の点でメリットがあります。
またこのアイデアはル・コルビュジエの船旅の趣味が繁栄されているそうです。
たしかに屋上庭園でくつろぐ姿と船のデッキでくつろぐ姿は似ているような気もしますね(笑)
自由な平面
自由な平面は壁を建物を支える構造とする従来の考えを一変させたアイデアです。
古くからふすまなどが普及していた日本とは異なり20世紀初頭の西洋では壁を石を積んだものが主流でした。
しかし壁ではなく柱だけで建物を支えるアイデアによって室内の壁や仕切りの配置・移動・取り壊しが自由になり様々な空間のレイアウトが可能となりました。
水平連続窓
水平連続窓は自由な平面に付随するアイデアです。
壁が支えるためのものではなく自由に取り外しが可能となったので窓も自由に水平に伸ばすことが可能となりました。
このアイデアによって室内への採光が容易になりました。
自由なファサード
ファサードとは建物の正面の外観のことをいいます。
自由なファサードはこれまでの4つのアイデアを組み合わせてたどり着いたアイデアで設計者の好きなようにファサードをデザインすることが可能となりました。
サヴォア邸

サヴォア邸は近代建築の5原則が凝縮された作品でコルビジュエの最も有名な作品の1つです。
ル・コルビュジエの「白の時代」の最後の作品であり、1階は車庫,使用人室,洗濯室、2階は居間,客間,寝室、3階は屋上庭園になっています。
そしてル・コルビュジエの理想である浮遊する建築を最もよく表している作品ともいえます。
今回はル・コルビュジエの近代建築の5原則について解説しました。
ル・コルビュジエのほかの作品にも近代建築の5原則が使用されているのでコルビュジエの作品を見る際はそこにも注目するとよりおもしろくなりますよ!