【ゼロから学ぶ西洋建築史】古代ギリシアを解説

ゼロから学ぶ西洋建築史

【はじめに】

この記事を読めば古代ギリシアの建築は完璧!
この記事では古代ギリシアの歴史の流れと用語を古代ギリシア文明のはじまり、アクロポリスとはなにか、オーダーとはなにかに分けてわかりやすく解説しています。この記事を読み終わる頃には歴史の流れと用語の説明ができるようになり、マニアックな知識も自然とついて旅行する際にもギリシア建築を楽しんで見ることができると思うのでぜひ最後までご覧ください!

古代ギリシアの建築

エーゲ海と古代ギリシア

「透き通るような青い海に白い砂浜」というイメージのエーゲ海。ギリシア旅行に行った際は一度は訪れてみたいですね。

このエーゲ海もまた古くから文明の発展した場所なんです。

エーゲ海にあるクレタ島のクノッソスを中心とし、周辺の島々であるキプロス島、ペロポネソス半島で紀元前3000年頃に文明が発展していました。

クノッソスには複雑な内部構造をした宮殿が、ペロポネソス半島のミュケナイには巨石を使用した柱梁構造の宮殿などがあります。

エーゲ海の文明にはメガロンと呼ばれる居室がありました。

メガロンとは王や王妃の居室であり、古代ギリシアの主要な広間の形式です

メガロンは奥に玉座、中央に炉があり、炉を囲むように4本の柱で長方形になっていてその前面に2本の柱が立つ開けた空間になっているという特徴があります。

ギリシア文明のはじまり

ギリシア文明は上述のペロポネソス半島に南下してきたドリス民族がエーゲ海文明を滅ぼしたことによってはじまりました。

アクロポリスとは?

アクロポリスとは小高い丘陵地に設けられた聖域のことです。

アクロは高い、ポリスは都市という意味です。

そしてこの聖域をのふもとを中心として都市は繁栄していました。

都市の中心にはアゴラと呼ばれる公共広場があり、その中にストアと呼ばれる中枢施設がありました。

アゴラはギリシャ語で「集まる場所」を意味し、市民が公共の活動を行うための場所として設計されていました。

また丘陵地の斜面には神々に捧げるための宗教劇を行うための劇場も建てられていました。

古代ギリシアの神殿の柱

古代ギリシアはやはり神殿が有名です。そして神殿の柱にも特徴がありました。

古代ギリシアの神殿には3つのオーダーが使用されていました。

オーダーとは円柱部分の構成方式のことです。

ドリス式

ドリス式のオーダーはギリシア本島で使用されており、紀元前6世紀には完成していたとされています。

これは最も古いオーダーで中央がふくらんでいて太く男性的であるのが特徴です。

イオニア式

イオニア式のオーダーはエーゲ海と小アジアで生まれ、ドリス式よりも後にギリシア本島に入ってきました。

これは柱頭にある渦巻き状の装飾が特徴的でドリス式よりも細く女性的であるのが特徴です。

コリント式

コリント式は紀元前5世紀頃から使用されはじめたとされています。

これは柱頭にアンカサスの葉の装飾があり、3つの中で最も細いのが特徴です。

古代ギリシアの有名建築

パルテノン

パルテノン神殿はドリス式を使った神殿で紀元前447から432年にアテネの守護神・女神アテナを祀る神殿として建造されました。

パルテノン
エレクテイオン

エレクテイオンはイオニア式の柱を使用しているのが特徴です。

現在は世界遺産にも登録されています。

エレクテイオン
ゼウス・オリンピオス神殿

ゼウス・オリンピオス神殿はコリント式の柱を使っているのが特徴です。

もともと104本の柱があったのですが現在は残り15本となっています。

ゼウス・オリンピオス神殿

おわりに

今回は古代ギリシアの建築について解説しました。

古代ギリシアの建築神殿は中に入って何かをするためのものではなかったので扉を開けなければ中は真っ暗だったようです。

今回紹介したオーダーなどは今後の西洋建築史で重要になってくるのでぜひ覚えてみてください!